2023年大相撲初場所十一日目

一山本が突き起こして左上手,上手出し投げで崩して欧勝馬を送り出し。欧勝馬は幕内で初めて取ったが,白星ならず。

千代翔馬が先に左四つの良い形となり,剣翔を寄り切り。

平戸海が右四つの良い形をつくったが水戸龍の腰が重くて攻めきれず,水戸龍も次第に形を整えて膠着,1分を過ぎたところで水戸龍が逆襲に転じて寄り倒し。決まり手は浴びせ倒しがとられた。

碧山が押していったが,宝富士で土俵際でかわしてはたき込み。物言いがついたが軍配通り。

遠藤がやや右にずれて立ち,東龍を右からの突き落とし。決まり手は右上手投げがとられたが,最後はどう見てもまわしが切れていた。

千代丸が突き続けて王鵬を押し出し。

琴勝峰が当たり勝ったが,阿武咲が右四つで組んですぐに右からのすくい投げ。逆ならわかるという意外な展開。

輝が一度つっかけ。二度目,宇良が潜ろうとしたが輝が突き起こして攻め,輝の突き出し。

琴恵光がやや左にずれる立ち合い,押し合いから琴恵光が先に右四つとなり,妙義龍を寄り切り。

隆の勝と北勝富士が押し合い,隆の勝が押し勝って押し倒し。

 

玉鷲が猛烈に突き,錦木もかなり粘ったが,玉鷲の突き出し。玉鷲勝ち越し。

竜電が当たり勝って電車道,御嶽海を押し出し。あっけなさすぎた。

阿炎が突いて攻めていったが翔猿が土俵際で粘ると,阿炎の左足が土俵を割って勇み足。物言いがついたが軍配通り。

大栄翔が先に押して攻めたが若元春がこらえて左差し,大栄翔がもがいて組まれないように抵抗すると,若元春が諦めて甘い左四つのまま寄っていくと,大栄翔が逆転の右からの突き落とし。大栄翔ががっちりと組まれなければ逆転の目がある取り口で,上手く取った。

翠富士が右に大きく変化したが明生がついていき,明生が左四つで捕らえて寄り切り。翠富士は変化しない方が良かった。

正代が当たり勝って左差し,佐田の海が思わず引いて正代の押し出し。佐田の海負け越し。

豊昇龍が右上手を早く,左もねじ込んで錦富士を捕らえ,豊昇龍の寄り切り。豊昇龍は両足首にテーピングが厚く巻かれ,四股にも力が無く,終わった後は左足を浮かせていたが,なんとか勝った。勝利後のインタビューでは,自分でも勝つのは想定外だったことと,再休場の意思は無いことを語っていた。錦富士は負け越し。

若隆景が素早く右差しを入れて寄ろうとしたが,霧馬山がこれをたぐり,さらに内掛けをかけて豪快なとったり。霧馬山はとったりと掛け投げの合わせ技で勝った。新たな決まり手が必要かもしれない。

貴景勝琴ノ若が押し合い,互角に展開していたところ,貴景勝がいなしに失敗して琴ノ若の押し出し。

 

貴景勝が2敗に交代した。先場所が12勝で優勝同点だったので,今場所は高いレベルでの優勝なら綱取りと言われていたが,13勝では高いレベルとは言いがたかろうから,事実上今場所の綱取りは終わってしまった。とはいえ今場所が12勝か13勝で優勝または優勝同点なら来場所に綱取り継続だろうから,残りを踏ん張ってほしい。

2敗が貴景勝と阿武咲,3敗が玉鷲と琴勝峰。貴景勝の優勝自体は固かろう。