2022年大相撲名古屋場所中日

阿武咲が大翔鵬を押し出し。

王鵬が浅いもろ差しで捕らえ,千代丸を寄り切り。千代丸不調。

両者頭で当たって妙義龍がもろ差しをうかがいながら攻め,大奄美を押し出し。

剣翔が引いて呼び込み,一山本の押し出し。

千代翔馬が左に変化したが錦富士がついていき,互いに左四つとなって千代翔馬右下手投げ,錦富士が合わせて左上手投げで投げの打ち合い,どちらも決まらず向き直ると錦富士がもろ差し,錦富士の寄り切り。錦富士が上手く取った。

宝富士が左差しをうかがいながら攻め,豊山を押し出し。豊山は突き放せなかった。

志摩の海と照強が押し合い,志摩の海が引いて呼び込み,照ノ富士が中に入って寄り切り。

栃ノ心が右から強烈にいなして崩し,翠富士をはたき込み。決まり手は突き落としっぽくも見えた。

琴勝峰が押し込んだが,土俵際で錦木が右からの小手投げ。物言いがついたが軍配通り。

千代大龍が強く当たってそのまま隠岐の海を突き出し。

 

明生と北勝富士が押し合い,明生がいなして肩透かし。

翔猿が押し合いから右足をとばして琴恵光を蹴返し。お見事。

宇良が潜って中に入り,碧山を押し出し。

逸ノ城が張り差しから右四つをうかがい,無理と見て巻き替えを図ったが琴ノ若が応じて左四つ,逸ノ城が引いてしまい琴ノ若がそのまま寄り切った。逸ノ城が連敗。

豊昇龍が先に右上手,霧馬山が足をとばすと豊昇龍も足をかけて足技の応酬,豊昇龍が注意を足に向けさせたところで左を差し込み,豊昇龍の寄り倒し。豊昇龍お見事。

阿炎が諸手突きから猛烈に突き,佐田の海を突き出し。

大栄翔が押していったが若隆景が右からあてがい,おっつけて押し返し,若隆景の押し出し。若隆景が良い相撲をとった。

遠藤が前まわしをうかがって攻めたが低すぎ,貴景勝のはたき込み。貴景勝が終わった後に左肩をやたらと気にしていた。痛めたか。

玉鷲が喉輪で攻めたが正代がのけぞって残し,左差しを入れて逆襲,正代の寄り切り。正代がらしい相撲で勝った。

照ノ富士が左下手早く,下手投げで攻めると若元春が右上手をとって粘り,土俵中央に戻ると両者低く構えてやや膠着,照ノ富士の右腕側で激しい差し手争いが起きたが,照ノ富士がこれを嫌って左下手投げで打開しようとしたが,若元春がこらえて向き直るととうとう左下手をとって左四つ,一方照ノ富士は右上手が切れてやや若元春が有利な体勢となり,土俵中で再び膠着したが,この時点ですでに若元春のまわしが相当に乱れていたから,止めるとしたらこのタイミングであっただろう。30秒ほど膠着したところで照ノ富士が上手を諦めて絞って若元春の下手を切りに行くと,若元春があわせて寄りたてようとしたところで行司がやっと若元春のまわしの乱れに気づいて「まわし待った」をかけたが,照ノ富士がこれに気づいて力を抜いた一方,若元春は気づかずそのまま寄り切ってしまった。最初の取組は2分超。勝負がついたところで照ノ富士が行司に抗議し,異常事態に気づいた審判団が土俵の上へ。長い協議の結果,行司待ったとなった姿勢からの取り直しとなった。若元春のまわしの締め直しも含めて4分ほど経ってから再開,照ノ富士が左下手投げで振り回し,そのまま投げきった。展開から言って,いずれにせよ照ノ富士が勝っていたとは思われるが,あまりにも行司がまわし待ったをかけたタイミングが悪く,若元春にとっても納得行くまい。しかしながら,まわしが緩んだのはその若元春の側であり,そもそも緩まないようにまわしを締めていくべきだったという気もする。すべて合わせて8分の長い取組であった。

 

前代未聞の結びの一番が全部持っていった日となった。