安美錦が引退した。さすがに膝が限界だったのだろう。「土俵際の魔術師」の異名が名高い名力士であった。
照強が上手くいなして崩し，千代丸を押し出し。照強が幕内で初めて勝ち越した。
栃煌山がもろ差しで魁聖を寄り切り。しかし栃煌山ももろ差しになってからかなり苦労しており，やはり力が衰えている。
豊ノ島が左差しで攻め，さっと引いて輝を見事な肩透かし。
錦木が一度つっかけ。二度目は炎鵬がつっかけ。三度目，炎鵬が低く潜ると錦木が首を極めて持ち上げようとしたが，炎鵬がのけぞって外して両前まわし，右上手出し投げで崩して寄り倒した。炎鵬お見事。
琴勇輝が突き勝って，大翔鵬を突き出し。
妙義龍一度つっかけ。二度目は松鳳山もつっかけ。三度目，妙義龍が中に入って一気に押し込み，松鳳山を押し出し。妙義龍勝ち越し。
両者頭で当たってから右四つとなり，友風が機先を制して貴源治を左上手投げ。負け越さない男が今場所も勝ち越した。
琴恵光が諸手突きからさっと左に動いて千代大龍を突き落とし。諸手突きのフェイントが単純な変化になっておらず，上手い。
志摩の海と矢後の押し合い，志摩の海が優勢に進めて左から突き落とし。
宝富士が左四つ得意の形，隠岐の海を寄り立てて最後は右上手投げ。宝富士の上手投げは珍しい。
離れて取る展開，碧山と正代が互いに押して引いて，碧山の押し出し。
立ち合いから互いに左四つ，琴奨菊が猛然とがぶり寄り，遠藤これを土俵を上手く使ってしのぎ続け，巻き替えて右四つとなり土俵中央に戻す。琴奨菊のスタミナが切れたところ，遠藤がもろ差しになろうとするフェイントを入れて崩し，切れ味よい右上手出し投げでスパッと切り落とした。名勝負。琴奨菊のがぶり寄りの圧力，遠藤の耐える技術に巻き替えの技術，そして決まり手の出し投げの切れ味と見せ場が非常に多い。
阿炎が諸手突きから引いて朝乃山を引き落とし。
竜電が左を差しかけるが，北勝富士が右から強烈におっつけて押し出し。
両者頭から当たって互角，離れて取る展開となり，御嶽海が引いて呼び込み大栄翔が突き出し。御嶽海はもったいない引きをした。
高安当たってすぐに右に動き，明生がついてくると押し込んで左四つ，明生を寄り切った。昨日に比べると左腕が使えていたが，取組後顔をしかめるほど痛かったようで，勝ち越したことだし，やはり休んだほうがよい。もっとも，本人は「休むつもりはない」と言っているそうで……
鶴竜が低い立ち合いからもろ差し，逸ノ城振り回して一時攻勢に出たが，鶴竜が右下手出し投げで崩すと逸ノ城がふっと力を抜いてしまい，横についた鶴竜が寄り切った。
白鵬が立ち合いで強烈な左からの張り差し，これでほとんど決まってしまい，そのまま突ききって玉鷲を突き落とし。白鵬が勝ったが，この勝ち方は余裕がない。
