大相撲名古屋場所十二日目

ぼちぼち勝ち越し・負け越しの悲喜こもごもが出てくる時期。


北播磨動きまわろうとしたがバランスを崩し,東龍が送り出し。北播磨はほぼ幕尻で負け越しなので,来場所十両の可能性が高い。東龍は十両筆頭で6−6。
玉鷲が突き勝って輝を押し出し。
徳勝龍左四つ,下手投げで崩してもろ差し,佐田の富士を寄り切り。
錦木が大栄翔を押し出し。大栄翔負け越し。
荒鷲思い切ってたぐり,千代の国をとったり。荒鷲は良いとったりをやった。一方千代の国は脱臼癖のある左肩をたぐられたので痛そう。荒鷲勝ち越し,幕内での勝ち越しは久しぶりでは。
豪風立ち合いで当たってすぐ引き,佐田の海をはたき込み。
逸ノ城豊響の当たりを右から差して受け止め,肩透かし。逸ノ城勝ち越し。
蒼国来右からのかち上げで左四つ,大翔丸を寄り切り。あのかち上げは完全にエルボーでは。
貴ノ岩低い立ち会いから左四つで碧山を捕え,碧山も下手を切る等動きを見せたが,貴ノ岩出し投げで崩し,そのまま投げ切った。貴ノ岩が良い相撲。貴ノ岩3敗維持。
千代鳳が押していったが,宝富士右上手を取って逆転,宝富士が寄り切った。宝富士も3敗維持。


松鳳山と御嶽海左四つがっぷり,力比べになったが御嶽海が寄り切った。御嶽海が力強かった。松鳳山負け越し。
栃煌山当たりが低すぎ,隠岐の海がすぐに左からの突き落とし。
琴勇輝が遠藤を突き出し。
嘉風嫌って一度待った。二度目,高安と嘉風離れての非常に激しい攻防,嘉風が張ると高安張り返し,高安脇が空いて嘉風が押し込み,嘉風が押し切って押し倒した。熱戦。嘉風が良い相撲で勝ち越し。高安3敗目。
妙義龍もろ差し,栃ノ心を寄り切り。
豪栄道が左四つで勢を寄り切り。勢立ち遅れ,かつ足が痛むようで全く踏ん張れなかった。豪栄道は7−5まで来て残りは稀勢の里と両横綱,これを3連敗せずに突破できるかどうか。
稀勢の里立ち合いは悪くなかったが引いてしまい正代が攻勢,稀勢の里下がってから左からおっつけて体を入れ替え,正代を突き出した。おそらく見た目以上に危ない相撲であり,やはり先場所までの稀勢の里ではない。稀勢の里2敗を維持。
日馬富士が立ち合いで強く当たってすぐ左上手,今日も左上手出し投げで魁聖をぶん投げた。日馬富士2敗維持。
立ち合い一度不成立だが,なぜ不成立になったのかがよくわからない。両者手を付いていたように見えたが……しいて言えば照ノ富士が変化しようとして踏ん切れずふわっとした立ち合いになっていた。もっともそのまま照ノ富士左上手を先にとって優勢,寄り切らんとしていたところで止められたので,これが理由としたら,不利に立った側が優勢なら止めなくてもよかったような気はする。二度目,今度は照ノ富士正面から当たって立ち合いよく,同様に左上手をさっと取ってすぐに白鵬を寄り切った。白鵬は立ち合い張り差しもかち上げもなく,右差しも十分でなくただ肩から当たっただけであり,あまりにも無策であり,全く白鵬らしくなかった。一度目の立ち合いも含め,体調云々というよりも,気力が萎えているようにさえ見えた。白鵬は3敗に後退。照ノ富士はカド番脱出にとって大きな7勝目。


日馬富士稀勢の里が2敗,白鵬と高安,宝富士,貴ノ岩が3敗という情勢。優勝争いの行方がさっぱりわからない。優勝ラインが3敗になるなら,高確率で巴戦以上だろう。なお,仮に3人以上による優勝決定戦になれば,平成9年の大阪場所以来とのこと。