大相撲五月場所十四日目

舛ノ山が引退した。肺が小さく「20秒しか戦えない力士」と呼ばれていたが,引退の理由も後縦靱帯骨化症という難病とのこと。

 

千代翔馬が大奄美をはたき込み。大奄美は負け越し。千代翔馬7-7。

照強が中に入って浅いもろ差しとなったが,魁聖が左上手,右を巻き替えて強引にこじ入れると,魁聖が寄り切り。照強負け越し。魁聖勝ち越し。

琴恵光が突いて崩してもろ差し,最後はまわしが切れたが,志摩の海を押し出し。琴恵光勝ち越し。志摩の海7-7。

石浦が右に変化して,剣翔を右上手投げ。

栃ノ心が諸手突きからもろ差し,千代丸を寄り切り。

千代大龍が突き起こそうとしたが,霧馬山がこらえて左四つで捕え,霧馬山の寄り切り。霧馬山がよく耐えた。

妙義龍が先に攻めて押し込むと,琴ノ若土俵際で右を差して抵抗,妙義龍がさっと巻き替えてもろ差し,これで妙義龍の寄り切り。妙義龍がよくとった。琴ノ若7-7。

空海が一度つっかけ。二度目,天空海と碧山が左四つで引きつけあいとなったが,天空海の足が流れてつきひざとなった。勝負結果はつきひざではあるが,碧山の圧力が強かったと言うべきである気はする。

明生が一気の出足で左差し,そのまま寄っていったが,玉鷲が右からの小手投げ,軍配玉鷲で物言い。際どいところだったが,明生の足の甲が土俵につくよりも玉鷲の右足かかとが先に蛇の目の砂を払っており,軍配差し違えで明生の寄り切りとなった。妥当な物言いだろう。

 

翔猿が右に変化し,押し続けて輝を押し出し。輝負け越し。輝は4場所連続負け越しとのこと。翔猿は上位挑戦で前半は1-7だったが,5-9まで戻してきた。

隠岐の海が一度つっかけ。二度目,若隆景が右おっつけ左はず押しで一気に押し,隠岐の海を押し出し。若隆景会心の相撲。

北勝富士が左おっつけ右喉輪で攻め,英乃海を押し出し。

御嶽海が一気の出足,左四つとなったがかまわず宝富士を寄り切り。宝富士は左四つになれたのだから組み止めたかった。宝富士負け越し。御嶽海が9勝目,明日は勝てば何度目かの大関取り起点になる。

両者頭で当たって押し合い,大栄翔が引いて呼び込み,阿武咲の寄り切り。

高安が突き放す相撲をとり,豊昇龍をはたき込み。豊昇龍負け越し,高安は大きな10勝目。

逸ノ城が右から差して組み止め,隆の勝が巻き替えて浅いもろ差しとなるが,逸ノ城が思い切って引いてはたき込み。

遠藤が中に入ってもろ差し,照ノ富士が必死に振って振りほどこうとして左からの小手投げ,遠藤が外掛けにいくと照ノ富士があわせて足もかけ,照ノ富士がそのまま掛け投げをうつと遠藤もさらに合わせて右下手投げ,投げ始めは照ノ富士が有利な態勢だったが,遠藤も右足一本で懸命にこらえ,照ノ富士の右肘と遠藤の身体がひっくり返るのがほぼ同時という落ち方,軍配照ノ富士で物言い。非常に長い協議となったが,照ノ富士の接地が早かったのが重視されて軍配差し違え,遠藤の下手投げとなった。照ノ富士の掛け投げによる遠藤の死に体も相当に早かったので,同体取り直しで良かったようにも思う。照ノ富士が2敗に後退し,優勝争いは明日に持ち越しとなった。遠藤の外掛けにカウンターで掛け投げにいった照ノ富士,あわせて下手投げをうちつつ右足一本で耐える遠藤のバランス感覚,互いの技巧がぶつかりあった大熱戦。

正代が攻め込んだが,貴景勝が落ち着いて左にかわして突き落とし。

 

照ノ富士が2敗,貴景勝と遠藤が3敗で千秋楽へ。