大相撲五月場所千秋楽

三賞は技能賞に遠藤と若隆景。殊勲賞は優勝条件で遠藤,敢闘賞は無し。殊勲賞は条件なしか,照ノ富士が優勝でも可であったように思う。

 

石浦が潜って左下手で頭を付け,琴ノ若を鮮やかに左下手捻り。石浦お見事。琴ノ若は7-7の千秋楽,すでに負け越している相手に負け越した。

輝がもろ差しとなったが腰が高く攻められず,大奄美が左からの突き落とし。

7-7対決。千代翔馬が右に変化して右上手,思い切り振って志摩の海を寄り切り。千代翔馬は変化する雰囲気が強かったので,志摩の海が無警戒すぎた。志摩の海負け越し。千代翔馬勝ち越し。

宝富士が押し合いからもろ差しで捕え,千代丸を寄り切り。決まり手は押し出しがとられた。

魁聖栃ノ心が互いに右四つ,魁聖が先に左上手をとって栃ノ心に上手をとらせず,魁聖の寄り切り。がっぷりになれば栃ノ心だっただろうが,魁聖がとらせなかった。

押し合いから,天空海が張り手をうって右下手,英乃海が左上手で寄っていって優勢に見えたが,天空海が右下手投げに足を掛けて掛け投げ。天空海が足技で敗勢をひっくり返した。お見事。

千代大龍が右に変化して,阿武咲をはたき込み。阿武咲負け越し。変化は前日夜に決めていたとのこと。

霧馬山が差し勝って左四つ,右上手出し投げで崩して剣翔を寄り切り。

照強が潜って深い右下手で左前まわしの完璧な位置,碧山が左小手投げで引っこ抜こうとしたが照強がこらえて,照強の下手投げ。

 

捕まえようとする豊昇龍と突き放す翔猿,豊昇龍が浅いもろ差しとなって寄り倒した。

隠岐の海と明生が左四つ,隠岐の海が右からの小手投げ。明生の右膝が入った感じで,ちょっと嫌な倒れ方をした。

玉鷲が一度つっかけ。二度目,玉鷲が一気の出足で北勝富士を押し出し。

若隆景が攻め込んだがやや前傾姿勢,琴恵光が素早くいなして引き落とし。これは琴恵光を褒めるべきだろう。

大栄翔が一方的に攻めて妙義龍を押し出し。

御嶽海が低く攻めて逸ノ城を押し出し。御嶽海は二桁にのり,大関取りの起点となった(何度目かわからないが)。

これより三役。高安と隆の勝が激しい押し合いから両者頭をつけて膠着,高安がいつもの持久戦に持ち込む形だったが,隆の勝が先にしかけて押し合いに戻し,隆の勝のは炊き込み。高安は10勝で終戦し,大関取りは前2場所で20勝と苦しい星勘定になった。

遠藤が左四つとなって先に攻めたが正代がこらえ,正代が左からのすくい投げで逆転して寄り切った。千秋楽にやっと正代らしい相撲が見られた。遠藤は優勝の可能性が無くなった。

貴景勝が当たってすぐに右に体を開き,照ノ富士を突き落とし。両者3敗となり,優勝決定戦へ。

 

優勝決定戦。照ノ富士がかち上げで両者強く当たって押し合い,照ノ富士がまわしをとれなかったが,よく見て貴景勝をはたき込み。

照ノ富士が4度目の優勝。この1年で3度の優勝,大関の地位では初優勝。大関復帰の場所で優勝したのは11度目で史上初。関脇・大関での連続優勝は双葉山以来59年ぶり。最高位が大関以下の地位での4度の優勝は歴代2位(1位は魁皇の5度)。外国出身力士の優勝は120度目で,そのうちモンゴル出身は90度目と切の良い数字となった。なお,照ノ富士は過去3度の優勝決定戦を全て敗れており,今回の4度で初めて勝った。