大相撲九州場所三日目

10/26,巡業中の鳥取で,日馬富士が酔った勢いで貴ノ岩に暴行を働いたという前代未聞の事件が起きていたことが報道された。事件自体はともかく,事件発覚の経緯があまりにも不明瞭である。貴ノ岩の師匠,貴乃花はその数日後の10/30に警察に被害届を出している一方,協会には報告しておらず,協会がそれを把握したのは11/3頃であるという。貴ノ岩が入院したのは11/5からだそうだが,これは頭蓋骨のケガは遅れて発症することがあるため,さして不自然ではない。一方,日馬富士は容疑を認めているものの,初日・二日目と九州場所に出場しており,行為としては論外だろう。貴乃花も警察に届けているのはよいが,協会への報告を怠ったのはまずい。

現時点でわかっている情報だけで言えば,刑事事件化し立件され,少なくとも書類送検され,最悪の場合は執行猶予付きで有罪判決を受けるところまでいくだろう。書類送検された時点で,よくて朝青龍同様の自主的な引退,普通に考えれば解雇あるいは除名だろう。調査に時間がかかるであろうし,場所中では(協会内部のものも警察のものも)調査が進まないであろうから,決着が長期化して12月になるのは仕方がない。一方で,場所の三日目にもなって公になるのは遅すぎ,協会が把握した11/3,あるいは貴ノ岩が入院してどうやら重傷と判明した11/5の段階で,協会は公開して動き始めるべきであった。初動の遅さは責められても仕方なく,擁護できない。(この文章は場所後の感想記事にも転載する予定)


NHKの放送も,重苦しい雰囲気で始まった。
立ち合い一度不成立。二度目,旭秀鵬張り差し,大奄美ひるまず素早い左前まわしで形を作り,大奄美の寄り切り。大奄美は新入幕初白星。
妙義龍が引いて呼び込み,琴勇輝が突き倒し。妙義龍は合口悪く,琴勇輝が苦手。
ふわっとした立ち合いから,安美錦がさっと引いて錦木を肩透かし。
隠岐の海豪風をはたき込み。
輝が攻めてもろ差し,朝乃山を寄り切り。
碧山が右足首を痛めて休場,魁聖不戦勝。
大栄翔が諸手突きから突き,勢を引き落とし。
遠藤の押しをかいくぐって正代がもろ差し,遠藤を寄り切り。
翔丸が上手く突いて,千代丸を押し出し。
栃ノ心左上手,荒鷲右下手で投げの打ち合い,荒鷲が投げ勝ってすくい投げ。荒鷲投げが強い。


千代翔馬が喉輪で攻めたが攻めきれず,宝富士が右上手をとって上手投げ。
逸ノ城が当たってすぐ組み止め,即座に北勝富士を肩透かし。
千代の国と松鳳山が張り合い突き合い,千代の国がさっと引いてはたき込み。
御嶽海浅いもろ差しで組み止め,琴奨菊がぶるも寄れず,御嶽海が左からのすくい投げ。
嘉風もろ差しで中に入り,照ノ富士粘れず,嘉風の寄り切り。
阿武咲がよく攻め込んで突き押し,高安を土俵際まで追い込んだが,阿武咲の足が流れ,高安逆転の引き落とし。
豪栄道が当たってすぐに栃煌山を肩透かし。
白鵬張り差しから左四つ,速攻で貴景勝を寄り切り。
日馬富士休場で,玉鷲不戦勝。
稀勢の里が左差し,千代大龍に圧力で勝って寄り切り。稀勢の里は幕内701勝目,歴代8位。