大相撲秋場所九日目

蒼国来右四つで旭天鵬を寄り切り。
旭秀鵬もろ差しで佐田の富士を捕え,思い切って引いて肩透かし。
千代鳳が突いていったが貴ノ岩もろ差しで組み止め,貴ノ岩がじわりじわりと崩して寄り切り。
佐田の海が先に右差し,良い体勢で攻めていったが,逸ノ城右差しでこらえて土俵際体を入れ替え,寄り切った。逸ノ城はとにかく足腰が強く腰も低いので,立ち会いが遅く差し手争いで負けるという弱点を補って余りあっている。巨体というだけなら栃乃若や把瑠都もそうだが,足腰の強さがあれだけ攻撃力よりも防御力に割り振ってあるとなると完全に「新型」であり,小錦あたりまでさかのぼっても過去にちょっと見ないタイプの力士と判断せざるを得ない……と,すでに総評に書くべきようなことを書いてしまったが,あと一週間見るとまだ書き足せそうだから怖い。逸ノ城勝ち越し。
栃乃若が時天空を寄り切り。
鏡桜左下手早く,さっと体を開いて荒鷲を出し投げ。投げた瞬間は上手に変わっていたようで,決まり手は上手出し投げ。鏡桜,調子を上げてきた。
栃煌山が果敢に攻めていたが,隠岐の海がはたくと栃煌山の足が大きく飛び出た。確認の物言いがあって軍配通り。栃煌山がこの番付で意外と勝ち切れない。
千代鳳と玉鷲両者良い当たり,千代鳳が突き勝って押し出し。
魁聖低く入って寄っていったが,安美錦右差しでこらえると相手の力を利用して下手投げ。相変わらずうまい。
勢が先に攻めて浅いもろ差し,少し引いてからの右下手投げがすっぽ抜け,北太樹の押し出し。


大砂嵐突き起こして松鳳山をはたき込み。
立ち会い一度あわず,二度目,豊響珍しく前まわしをつかんで寄ろうとしたが,碧山が受け止めて左から突き落とし。やはりなれないことは本番ですべきではない。
豊ノ島もろ差しで入り込み,さっと引いて照ノ富士を肩透かし。さしもの照ノ富士も,上位挑戦で相撲が崩れている。
高安突いていったが突ききれず右差し,常幸龍も次第に形を作って右上手を取ると投げの打ち合い,高安が体をひねって投げの打ち合いから逃げると,常幸龍の裏について送り出し気味に押し出した。
遠藤立ち会い当たり負けると,豪風がはたき込み。今場所の遠藤は徹底してこの弱点を突かれている。遠藤負け越し。
琴奨菊千代大龍を左四つで捕え,がぶり寄りで寄り切り。
立ち会い二度合わず,三度目,豪栄道張り差しから右上手で寄ると,稀勢の里こらえて上手を切って土俵中央まで戻したが,稀勢の里出ようとすると豪栄道が豪快な首投げ。豪栄道にはこれがあった。
白鵬もろ差しで宝富士を寄り切り。
嘉風鶴竜突き合い,鶴竜が引いたところを嘉風が押し込んで押し出した。嘉風二場所連続で金星。鶴竜が1敗に後退し,全勝は白鵬のみに。