大相撲九州場所十一日目

今場所はなぜだか隔日である。今日からはもう大丈夫だと思うが。


春日王立会いでけたぐり失敗で高見盛の一方的な取組。
光龍が終始攻め続け,時天空は最初捕らえたかったが熱くなって張って応戦,すると俄然光龍優位に進みはたきこんで光龍の勝ち。これは光龍が見事な相撲を取った。
臥牙丸武州山を寄り切り。調子が戻ってきた。
隠岐の海攻勢も,豊ノ島右からたぐって突き落とし。今場所は本当に動けている。こうなるとやはり賭博で番付が落ちていたのが惜しい。
翔天狼立会い鋭く,旭天鵬を一瞬で引き落とし。これも良い相撲であった。九州場所は入門以来十年連続の勝ち越しらしい。縁起が良すぎる。
霜鳳喉輪も攻勢限界,栃乃洋が引きながら上手投げ気味に突き落とし。
豪栄道果敢に攻めると玉鷲呼び込んでしまい押し出し。豪栄道勝ち越し。
雅山と木村山の押し相撲対決だが,さすがに雅山に軍配が上がった。
琴春日頭から当たったが土佐豊に組みとめられ右四つ,ずるずると左からの上手投げで崩され土俵を割った。全然ダメである。
黒海猛虎浪の珍しいがっぷりの左四つ。やや長い相撲になったが,猛虎浪がスタミナに勝り寄り切った。黒海早くも負け越し。


蒼国来初の後半。若の里とは初顔だが,先に組んだのにもかかわらず怪力で押され右上手を取られて寄り切り。
豊真将と徳瀬川の好取組。しかし,豊真将が腰砕けで押し負けるというよくわからない展開。しかも勝った徳瀬川もなぜか足首を痛めた。両者に益の無い悲しい取組。
白馬と安美錦,ほとんど同時に別方向へ土俵から飛び出すというこれまた珍しい現象が起きたが,安美錦が白馬の足をよく見ており,実はしっかりと残っていた。行司軍配差し違えで安美錦の勝ち。決まり手は一応押し倒しらしいがほとんどこじつけであろう。
琴奨菊がぶって北太樹を圧倒。
稀勢の里,らしいがむしゃらな攻めで栃ノ心を寄り切り。左差しが早かったのが勝因。稀勢の里勝ち越し。
朝赤龍阿覧,激しい差し手争いだったが結局右四つがっぷりに落ち着き,これで阿覧かと思われたが力の使いどころを間違えて半ば自滅,朝赤龍が逆転で寄り切った。阿覧はこんな相撲をしていてはいけない。まあ,差し手争いで消耗して,組んだ時点では力がすでに残ってなかったのかもしれないが。いずれにせよ朝赤龍は巧者であった。
魁皇豪風豪風張って引いての攻勢が成功し見事に魁皇の裏をとったが,攻めをあせり足が滑って自滅した。豪風は最悪の自滅である。一方魁皇は足腰がよくついていったなと思う。不調時の魁皇なら裏をとられるまでもなくはたきで沈んでいただろう。確かに今場所の調子は抜群に良いようである。魁皇,なんと21場所ぶりの二桁。それにしても,今日は珍妙な相撲が続いた。決まり手引き落としはもはやギャグ。
把瑠都,立会いで嘉風をしっかりと捕らえ寄り切り。相撲がとれている。
栃煌山立会いから琴欧洲の左をたぐりにいったところまでは良かったが,その後強引にもろ差しに行くと巻き替えに時間がかかり,その間に琴欧洲が体勢を整え外四つで寄り切り。得意の型にこだわりすぎて相撲が狂っている。
鶴竜はなぜか白鵬にはまったく歯が立たず,今場所も白鵬が鋭く踏み込んでさっと右四つが入り完勝した。