2021年大相撲初場所十一日目

空海が先に左四つ,佐田の海を寄り切り。

琴恵光が先に右四つ,明瀬山を寄り切り。明瀬山はスタミナが切れているか,5連敗。

豊山が押し合いを制し,碧山を押し出し。

志摩の海と琴ノ若が押し合いから互いに頭をつけあって土俵中央でやや膠着,琴ノ若が思い切って引いて左上手出し投げ。

妙義龍がさっと素早く中に入って左差し,逸ノ城が引いて呼び込み妙義龍の寄り切り。

霧馬山が一度つっかけ。二度目,豊昇龍が右に変化し,霧馬山を右からの突き落とし。霧馬山は左膝が痛そうだった。

翠富士が一度つっかけ。二度目,翠富士が当たってすぐに右にかわし,徳勝龍を伝家の宝刀肩透かし。

照強が右に変化して,竜電を足取り。照強お見事。

翔猿と琴勝峰が激しい押し合い,翔猿が琴勝峰の右手首をつかんで捕えて右差し,そのまま翔猿が攻めて押し出し。琴勝峰は11連敗。

 

明生が低く押し込んで右おっつけ,宝富士を押し出し。明生勝ち越し。

大栄翔が当たり勝って思い切って攻め込んだが,阿武咲がひらりと左にかわして突き落とし。これは阿武咲の反応の良さを褒めるべきだろう。大栄翔2敗に後退。

北勝富士が押し勝って,輝を押し出し。

御嶽海が今日は頭を低くして押し込み,栃ノ心を押し出し。栃ノ心は組まないと相撲にならないので,こうなると予想された展開。栃ノ心負け越し。

高安が今日は回転よく突いて突き起こし,遠藤をはたき込み。

玉鷲が突き放そうとすると照ノ富士がまわしをうかがいながら押し返し,照ノ富士の押し出し。

朝乃山が立ち合いよく右四つを作りかけたが,隆の勝が必死に突いて突き放すと,むしろ朝乃山が空いた空間を生かしてはたき込み。朝乃山勝ち越しでカド番脱出。

正代が低く押し込んで隠岐の海が土俵際で突き落とし,際どいところで軍配隠岐の海で物言いがついた。スロー映像で見ると正代が落ちるのと隠岐の海の足の甲に土が着くのが同時に見えた。長い協議となり,やはり同体取り直し。二度目,正代が左四つで攻めていって左からのすくい投げをうつも強引すぎて決まらず,隠岐の海が外掛けで正代の軸足を打つと正代のバランスが崩れ,隠岐の海がそのまま押し倒したが,正代が土俵際でうっちゃり両者もつれて倒れ込んだ。軍配は隠岐の海でまたしても物言い,今回も長い協議となり,軍配差し違えで正代の勝ちとなった。決まり手は勇み足がとられた。なるほど,同体取り直しかに見えたが,隠岐の海は正代にうっちゃられるまでもなく右足が蛇の目の砂をはいていた。これは審判がよく見ていたと言うべきだ。正代は幸運な星を拾って2敗を維持した。

 

2敗は正代と大栄翔,3敗は朝乃山と明生となったが,正代も大栄翔も不安定でもう1回くらい負ける可能性があり,4敗までは優勝ラインが下がる可能性も見えてきた。なんだかんだで正代と朝乃山の優勝の目は固いと思うが,4敗までの誰が優勝してもおかしくない大混戦である。