2023年大相撲春場所十四日目

若隆景が十三日目の取組で右膝を痛めて休場。歩けないほどとのことで,五月場所の出場が危ぶまれる。

 

押し合いから湘南乃海がはたいて左上手,水戸龍が合わせて右下手をとったが,すぐに離してすくい投げ,湘南乃海が機敏にまわしを離すと水戸龍の体が自らの力で倒れ込み,湘南乃海の送り出し。湘南乃海は十両3枚めで勝ち越したが,新入幕には明日も勝っておきたい。水戸龍は7-7。

両者頭で当たって押し合い,王鵬が押し勝って妙義龍を押し出し。王鵬7-7。

錦富士が突き放して攻め,剣翔を突き出し。剣翔7-7。

武将山が先に攻めて押し込んだが,碧山が土俵際で耐えると武将山が右四つとなったが,これが悪手で,碧山が右からのすくい投げで逆転。

平戸海が諸手突きから右四つの良い形,平戸海が必死に寄り立てたが,北青鵬が平戸海の右を抱えてこらえ,平戸海の動きが一瞬止まったのを見て右を差し込み,平戸海が再び寄り立てようとしたところで北青鵬が豪快な右からのすくい投げ。緻密な戦術をパワーでひっくり返した事例。北青鵬勝ち越し。平戸海負け越し。

宝富士が左差しをうかがいながら押し,一山本がいなして回り込み続け,両者動きが止まって頭四つで膠着,押し合いでスタミナが切れたか,両者が妥協したかのように右四つで組み,一山本が思い切って引いて肩透かし,宝富士がついていって押し出し。持久戦になれば宝富士に分があったか。熱戦。宝富士7-7。

宇良が低い立ち合いから押し,東龍がはたいて呼び込み,宇良の押し出し。宇良勝ち越し。

千代翔馬が立ち合い右からのかち上げで左差し,すぐに二度の肩透かしで引いて崩し,北勝富士が追いすがると右からの張り手,これがクリーンヒットして北勝富士の動きが止まると千代翔馬がもろ差しで寄り切った。千代翔馬がとにかく動き回った相撲。北勝富士7-7。

高安が立ち合いぶちかまして一気の出足,琴恵光を押し出し。

輝が押し込んだが琴勝峰が右四つで組み止め,琴勝峰の右下手投げ。

 

御嶽海と隆の勝が押し合い,隆の勝が右からいなすと御嶽海があっけなく崩れ,隆の勝の送り出し。今日も御嶽海が脆い。隆の勝勝ち越し。

金峰山と阿炎の突き合い,金峰山が右からいなすと阿炎が崩れ,金峰山の押し出し。勝った金峰山が驚いた顔をしていた。インタビューによると勝った自分に対してとのこと。

錦木が先に左四つ,竜電を寄り切り。

佐田の海が引いて呼び込み,玉鷲が倒れ込みながら押して,玉鷲が着地すると同時に佐田の海も吹っ飛んでいった。軍配佐田の海で物言いがつき,協議が非常に長引いて同体取り直し。これしかない判定だろう。二度目,両者頭で当たって押し合い,佐田の海が左からいなして押し出し。

大翔鵬と正代が押し合い,正代がもろ差しをうかがって攻めて押し出し。

明生が押していったが翔猿が回り込み続け,土俵中央に戻って翔猿がさばき,翔猿が右足を飛ばして蹴返し。翔猿の蹴返しが素早かった。お見事。

大栄翔が一気の出足で突いて攻め,翠富士を突き倒し。

若隆景休場,霧馬山不戦勝。

琴ノ若が立ち遅れ,遠藤が低く押し込んで琴ノ若を押し出し。

豊昇龍が左上手早く,若元春が応じて右下手で組み合う形,豊昇龍が先に仕掛けて豪快な右上手投げ。豊昇龍10勝目。

 

2敗が大栄翔,3敗が霧馬山と優勝争いがとうとう二人に絞られた。今日も熱戦が多かった。