2022年大相撲九州場所十三日目

阿武咲が浅いもろ差しで寄っていったが足が流れ,隠岐の海が土俵際で右からの突き落とし。

照強が潜ろうとしたが千代翔馬が押し返し,右からいなして崩して千代翔馬の寄り切り。

碧山が突き起こしてから引いて熱海富士をはたき込み。

阿炎が諸手突きから猛烈に突いて輝を突き出し。阿炎10勝目。

一山本が突いていったが栃ノ心が右四つで捕え,一山本がなおも攻めかかったが,栃ノ心が右からのすくい投げ。

妙義龍が先に右四つ,寄っていって琴恵光を左上手投げ。

平戸海が突いて攻めると遠藤が応戦,激しい突き合いとなったが,平戸海がかいくぐって左四つ,遠藤を寄り切り。平戸海が上手く取った。

竜電が右上手で頭をつけてじりじりと寄り,東龍を寄り切り。竜電勝ち越し。

琴勝峰が押していったが,錦木が回り込んで体を入れ替え,錦木の押し出し。

宝富士と宇良が押し合い,宇良が宝富士の左をたぐると宝富士が裏を向き,宇良の送り出し。宝富士は痛いところを攻められた。

 

隆の勝が逸ノ城を押し出し。

翠富士が中に入ってもろ差し,琴ノ若が強烈に極めると翠富士が振りほどいて離れ,押し合いから翠富士が再び中に入ろうとして右四つ,琴ノ若が右から強烈におっつけて崩し,琴ノ若の押し出し。琴ノ若勝ち越し。

高安が押し合いから左四つで捕え,王鵬を右上手投げ。高安の完勝。

大栄翔が突いて先に攻めたが,若元春が土俵際で左からいなすと大栄翔が裏を向き,向き直ったところで若元春が左四つ,若元春の寄り切り。

佐田の海が当たってすぐに左からいなし,翔猿を送り出し。翔猿負け越し。動きは良かったが,やはり家賃が重い。翔猿は場所全体のスタミナが切れてきたとのこと。

激しい押し合いから明生が左四つ,明生が寄っていくと霧馬山が懸命にこらえたが,明生が最後はまわしを切って押し倒し。

御嶽海が当たってすぐに左にかわし,北勝富士をはたき込み。

両者強く当たって押し合い,若隆景が先に左四つ,錦富士を寄り切り。

玉鷲が猛烈に突いて攻め,正代が必死にこらえていたが,玉鷲が突ききって突き出し。正代負け越しで大関からの陥落が確定。

貴景勝が押し続け,豊昇龍が思わず引いてしまい,貴景勝の押し出し。豊昇龍は何が何でも捕まえなければならなかった。

 

正代が大関から陥落したため,来場所は1横綱大関となる。照ノ富士横綱大関を兼任することになるが,これは2020年春場所以来の2年半ぶり。また横綱大関が1横綱大関の2人という状態になるが,これは125年ぶりとのことで,すなわち年6場所制では初。

また,若隆景は今日の勝利で年間最多勝を確定させた(あと1勝するか,豊昇龍と琴ノ若がともにあと1敗すれば単独が確定)。関脇以下が年間最多勝をとるのは2019年の朝乃山以来3年ぶりで4回目。他が大鵬貴乃花なので,過去の3人は後に大関以上には昇進している。

さらに,今場所は現時点で優勝争いに残っている力士が全員今年の優勝がないので,今年は6場所全て優勝者が異なることが確定した。これも1991年以来,31年ぶりの珍事で史上3度めとのこと。ただしこれは2020年,新型コロナウイルスの流行によって5月場所が中止となったため年間5場所であったが,この5場所が全員優勝者が異なっていたため,これをカウントするなら2年ぶりとなってあまり珍しくなくなる。