大相撲九州場所九日目

空海が左上手を取ると,輝をさっと掛け投げ。天空海の得意技が出た。

栃ノ心が一度つっかけ。二度目,松鳳山が深いもろ差し,栃ノ心は外四つで攻防あって1分経過,栃ノ心が懸命に寄って寄り切ったが,物言いがついた。流れの中でどこかで栃ノ心のかかとが出ていたとのことで,軍配差し違えで松鳳山の勝ちとなった。スローで見ると確かに松鳳山が振ったときに栃ノ心の左のかかとがはっきりと蛇の目の砂をはいており,審判部の判断が正しい。なお,最後まで取らせたことについては,向こう正面の錣山親方から,「過去に審判が途中で相撲を止めたが,はっきりと勝負がついたのかわからないことがあり,結果として取り直しの一番になったことがあった。その反省から,微妙な場合は審判が途中で取組を止めないということになった」と説明があった。昨日の貴景勝逸ノ城戦も含めて納得である。該当しているのは2012年九州場所で,奇しくも同じ九日目であった。

https://dg-law.hatenablog.com/entries/2012/11/19

豊山が一気の出足で佐田の海を押し倒し。

北勝富士が低く攻めて魁聖を押し出し。

千代の国が一度つっかけ。二度目,千代の国が終始突き放し,照強を押し出し。

千代大龍が強く当たったが,阿炎がすぐに引いて引き落とし。阿炎勝ち越し。

千代丸が左四つで翔猿を捕らえ,腹に乗せて寄り切った。

琴恵光が少し右にずれる立ち合い,石浦がかまわず攻め込んで中に入り,琴恵光が引きながら掛け投げの逆転を図ったが,石浦が崩れず寄り切った。琴恵光負け越し。

千代翔馬が立ち合い差し勝ってもろ差し,琴ノ若を寄り切り。決まり手は最後に足を取りに行ったのを見て渡し込みがとられた。ただ,渡し込みにいった時点ですでに琴ノ若が土俵を割っていたようにも見えた。

宇良が中に入ろうとして碧山が強烈に右肘を極めたが,宇良がその右差しを引き抜きつつ回り込んで肩透かし。宇良の肩透かしが上手かった。

 

玉鷲が一気の出足,電車道で英乃海を押し出し。

志摩の海が低く押し込み,宝富士を押し出し。志摩の海は調子が上がってきた。

隆の勝が一方的に押して妙義龍を押し出し。

大栄翔が先に押したが,隠岐の海が押し返して押し出し。大栄翔は志摩の海と負の比例関係であるかのように圧力が無くなってきた。

霧馬山が若隆景の右腕をとったり,さらに足を掛けて掛け投げ。とったりと掛け投げを同時に打つのは決まり手に存在しない新技である。

阿武咲が一気の出足で中に入り,逸ノ城を押し出し。逸ノ城は昨日の相撲でやる気が削がれたか。

御嶽海と明生が押し合いでほぼ互角,御嶽海が途中で右四つに変わって寄り切った。御嶽海勝ち越し。御嶽海は右目が内出血で腫れ上がっていて,こういう時の御嶽海は弱いのだが,今場所は傾向に当てはまらず強い。

貴景勝が押し込んで左からいなし,豊昇龍が向き直って右下手をねじ込んだが貴景勝が強烈な小手投げで崩し,貴景勝の押し出し。貴景勝は右膝を少し痛めた模様で,少し心配である。

遠藤が当たってすぐに引き,正代をはたき込み。

照ノ富士が左四つながら先に形を作り,高安はいつものように半身で耐えようとしたが,照ノ富士が長い相撲を嫌って一気に寄りたてて寄り切った。照ノ富士の完勝。