大相撲春場所千秋楽

三賞は技能賞が碧山,敢闘賞が隆の勝,殊勲賞は阿武咲。

 

碧山は昨日の結び前の取組で今日は幕内最初の取組で,なんとなく変な感じはする。石浦が潜って両前まわし,左からの出し投げで崩し,碧山を寄り切り。碧山は11勝で終戦

奄美が一度つっかけ。二度目,照強が潜ってもろ差し,大奄美が極めたがやや緩く,照強の寄り切り。

千代大龍が右の張り差し,志摩の海がこれを右にかわして,志摩の海が一方的に攻めて押し出し。

錦木がもろ差し,佐田の海をつり出し。錦木が千秋楽に力を発揮した。

栃ノ心が一度つっかけ。二度目,琴ノ若が諸手突きから突いて右下手,左上手もとったが下手が切れ,やや苦しんだが右下手もとって右四つ十分,最後は左上手捻り。

7-7対決。両者頭で当たってから押し合い,輝が押し勝って明生を押し出し。明生負け越し。輝勝ち越し。

栃煌山が当たり勝ってもろ差し,妙義龍が首投げをしようとしたのか思い切りすっぽ抜け,栃煌山の送り倒し。

竜電が一度つっかけ。二度目,竜電が当たって右上手,上手投げから左前まわしとお手本のような崩し,そのまま東龍を寄り切った。東龍は元気がないまま終戦

阿炎が諸手突きでいったが魁聖が押し返し,しかし阿炎がひらりといなして魁聖の横に付き,阿炎の押し出し。あっさり終わってしまった。

両者立ち合い当たって勢が当たり勝ったが,勢の二の矢で炎鵬が両前まわし,炎鵬が間髪入れずに左下手投げ。

 

阿武咲が低い立ち合いから猛烈に押し,御嶽海を押し出し。

7-7対決。押し合いになるかと思われたが,千代丸が右四つとなって寄っていき,豊山が土俵際で左から突き落として軍配千代丸。物言いがつき,協議の結果,豊山の足が残っていると見なされて軍配差し違え。豊山の右足が土俵を割るのと千代丸の足が返るのがほぼ同時であったので,死に体が優先されて取られたのは珍しく,同体取り直しでも良かった気はするが,この判定でも不服はないというくらい。千代丸負け越し,7-6-2の負け越しなので悔しかろう。豊山は良い相撲が多かった割には千秋楽での勝ち越しとなった。

玉鷲が喉輪で攻めて徳勝龍を押し出し。

7-7対決。琴奨菊が左四つでがぶりにがぶって懸命に寄ったが,隠岐の海が回り込んで逃げて右上手投げ。琴奨菊負け越し,6場所連続の負け越しとなった。隠岐の海勝ち越し。

大栄翔が一気の出足で攻めていったが,霧馬山が右から強烈に突き落として逆転,そのまま突き落とした。

宝富士が右から強烈におっつけて押し相撲,遠藤を押し出し。宝富士は自らも左四つで取れるところ,外しておっつけたのがお見事。遠藤負け越し。

松鳳山思い切って変化したが北勝富士がついていき,上手い変化だったが北勝富士は読んでいたと思われる。北勝富士が押して攻めていったが松鳳山が逃げ回り,松鳳山が左からたぐって体を入れ替え,松鳳山の寄り切り。

これより三役。隆の勝が強く当たって右から強烈におっつけ,正代を押し出し。隆の勝が千秋楽で会心の相撲をとって12勝目。

両者当たって貴景勝が押していったが,朝乃山が左下手を取ると貴景勝引いてまわしを切り,逆に朝乃山はまわしを切られたが左からおっつけてそのまま攻め続け,朝乃山が離れたまま押し出した。朝乃山は11勝となり三場所計32勝,場所後に激論となりそう。貴景勝は負け越し,来場所はカド番。

横綱の千秋楽愛星決戦は平成25年の九州場所以来とのこと。白鵬が一度つっかけ。二度目,鶴竜立ち合い当たって右四つの良い形,しかし白鵬即座に巻き替えて左四つ,逆の四つだが体勢良くなり,やや膠着すると白鵬さらに巻き替えてもろ差し,鶴竜が対抗して巻き替えて右四つとなったが,白鵬がそこを寄って寄り切った。白鵬は冷静に四つ相撲を取ればやはり強い。この二人の巻き替え合いはよくある展開だが,今場所は白鵬が制した。

 

白鵬が44回目の優勝。通常は十両の取組中にある教会挨拶が結びの一番の後となった。また,賜杯授与式は全関取が立ち合い,内閣総理大臣杯も八角理事長が代読・授与する形となった。表彰の大半を辞退しているので展開が早く,神送りの儀式までNHKが放映するという点まで,珍しい千秋楽であった。