大相撲初場所千秋楽

幕内優勝は稀勢の里。殊勲賞貴ノ岩,敢闘賞高安,技能賞は蒼国来と御嶽海となった。三賞はすべて条件なしで,妥当な判断であり,久々の大盤振る舞いである。稀勢の里の初優勝は所要89場所で歴代4位の遅さ。1位は旭天鵬の121場所でこれは例外としても,2位は貴闘力の103場所,3位は霧島の96場所であるから,そう考えると遅いとは言っても普通の範囲かもしれない。一方,白鵬は4場所連続で賜杯を逃したのは横綱昇進後初とのこと。


大砂嵐右四つ良い形も攻めあぐねたが,錦木を寄り切り。あれだけ良い形になりながら攻めきれないというのは相当に膝が悪いのだろう。
輝が攻め込んだが,逸ノ城がはたき込み。物言いがついたが軍配通り。逸ノ城は11勝目だが,印象は薄い。
貴ノ岩が突いて攻めていったが,蒼国来もはたいて応じ,蒼国来が引き勝ってはたき込み。蒼国来12勝目。
魁聖がもろ差しで臥牙丸を寄り切り。魁聖勝ち越し。
北勝富士右四つ,千代皇を寄り切り。千代皇負け越し。
琴勇輝が先に攻めたが千代大龍がまわしを取ると裏を向いてしまい,千代大龍の送り出し。
佐田の海右四つ,千代翔馬に投げを打たれる前に早く攻め,佐田の海の寄り切り。佐田の海勝ち越し。千代翔馬負け越し。
嘉風が上手くいなして千代鳳を左からの肩透かし。
翔丸栃煌山を押し出し。栃煌山は3-12。
貴景勝隠岐の海を引き落とし。


碧山が突いていったが,荒鷲かわしてとったり。決まり手はひっかけ。
松鳳山つっかけ。二度目,松鳳山石浦を押し出し。石浦松鳳山の頭突きが当たり,右目が腫れた。かなり痛そうである。
御嶽海浅いもろ差しで攻めていくと千代の国右からの上手投げ,御嶽海合わせて左からすくい投げをうつと,投げ自体は千代の国が優勢だったが,千代の国が先に手をついてしまい,御嶽海の勝ち。
宝富士が左上手をとって,妙義龍を寄り切り。
遠藤が突いていったが,高安のはたき込み。遠藤は2場所連続の千秋楽負け越し。高安は重要な11勝目。
勢が体勢を低くして攻め込んだが,正代がかわしてはたき込み。
これより三役。豪風玉鷲両者完璧な立ち合い,豪風低く入って突き起こし,玉鷲を押し出し。豪風が千秋楽に会心の相撲を取った。
琴奨菊が右四つで照ノ富士を寄り切り。両者不安しかない相撲である。
白鵬張り差しから左四つも両腕ともに浅く,稀勢の里懸命に残すと稀勢の里が左から突き落とし。白鵬はあからさまな短期決戦ねらいで,それ自体は稀勢の里にとって予期せぬ展開であったが,持久戦に持ち込んだ稀勢の里の粘り勝ちであろう。稀勢の里の見事な重い腰であった。


稀勢の里はどうやら横綱昇進となる模様。仮に昇進となると,新入幕から横綱まで所要73場所は歴代1位。19年ぶりの日本出身横綱誕生となる。4横綱時代が到来するようだ。